屋久島のコロナ対策、こうしたらいいんじゃないか

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島民でもないのに大きなお世話、だとは思うんですが、屋久島に事務所があって、社員もいますので。島の状況と感染が広がる地域の状況を両方ある程度理解した上で、発信することは意味があるかと思って。屋久島の方々に読んでいただけるかどうかわかりませんが、書いておきます。屋久島のCovid-19対策。

島である、観光産業で経済が成立してる、今のところ陽性患者は出ていない(4/7時点)。3月時点でかなりの観光客が訪れていたので、本当に陽性者がいないのか、にわかに信じがたいですが、とりあえず出てないので信じましょう。そんな前提の中で先手を打って戦略を立てていかないと。病院といえば徳洲会一つで住民は1万人ちょっと。観光客がわんさか訪れる季節に島自体崩壊しかねません。

とはいえ、島自体を封鎖しろ、ということを言ったって、現実的ではありません。

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地方にとって、じんわり広がって体制をとれる、というのが戦略

地方にとって、短期的には感染者出さないのが戦略。でも中長期的にみると、それがそうでもないかなと思っています。ワクチン出るまで待つ、のシナリオか、抗体を保有する人が増えるシナリオか、どっちを予想するかによるんですが、前者は年単位でかかるといわれていて、両者の合わせ技になるんじゃないかと思っていて。なので、抗体持っている人をある程度コントロール下で出すのも必要なフェーズが訪れるんじゃないかと。そうじゃないと、いつまでもかかることを恐れて自粛を続けなければならなくなります。

他都道府県よりもかなり遅めにじんわり広がって、無症状、軽症がほとんどで、重症化するケースについては対応策がしっかり練られていて、医療機関も余裕を持って受け入れられる、みたいなのが最善のストーリーかなと思っています。

それに、その場合、コロナウィルスよりも先に人の恐怖感、心配の方が先に伝播します。なので、三大都市圏でのいろいろな対策をより人々が同調圧力で実践するようになり、より動きを遅らせることができる、というのが地方の有利なポイント。

ところが、観光地ではそうもいかない

観光地では確実に不安、恐怖感よりも先にcovid-19が伝播する可能性が高いです。

今日にも緊急事態宣言が出される模様ですが、完全に「終息」するより前に、ある程度の「収束」で人の緊張がゆるむでしょう。それは、各国の状態を見ても、容易に想像がつきます。

「収束ムード」で…世界遺産に観光客殺到

エラー

「ピーク達した」イタリアに緩み? 客でごった返す市場

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000027-asahi-int

コトの是非、善悪はさておき、先に緊急事態宣言を出したような地域から、数か月後に人が流れ込み、その中にコロナ陽性者がいる覚悟はしておいたほうがいいでしょう。そうると、対策よりも先に丸腰でコロナと立ち向かわなければならなくなる。それが、一番危惧しなければならない状況です。

北海道は先に蔓延したので、ある程度の対策が分かっているはず。ですが、鹿児島は全都道府県の中でも発症が遅く、対策のイメージがわかない、というのが正直なところなんじゃないかと思います。これに関しては、仕方ないですよね。ほぼ全世界どの国、自治体も、ある程度尻に火が付くまではガッツリ対策、というのはできていない。

悪い話ばかりではない。事例の蓄積で見えてきたこと

こう見ていくと、悪いことばかりに聞こえるかもしれませんが、対策する上でうっすら見えてきた勝ち筋がある、というのも大事です。

マスクが大事

初期拡散期に、あまり信じられていなかったマスクの効果について、一定量の効果があることが分かってきたこと。これはWHOなども認めはじめています。何より、アメリカが方針転換した、というのは、科学的根拠があるとみていいでしょう。

マスク「不要」から一転「着用を」 米機関が見解を修正

マスク「不要」から一転「着用を」 米機関が見解を修正 | NHKニュース
【NHK】アメリカのCDC=疾病対策センターは、新型コロナウイルス対策でマスクは不要という従来の見解を修正し、着用を勧める新たな指…

無症状者からの感染は可能性少なそう

こちらはまだ確実なことは言えないのですが、無症状者からの感染の可能性は薄そう、ということです。

無症状者から感染少ない WHO「発熱・せき患者から拡大」

マスク「不要」から一転「着用を」 米機関が見解を修正 | NHKニュース
【NHK】アメリカのCDC=疾病対策センターは、新型コロナウイルス対策でマスクは不要という従来の見解を修正し、着用を勧める新たな指…

これは結構大事で、無症状のうちに人に移してしまうかも(特に屋久島の場合、若くて体力のがるガイド等観光従事者が無症状のままで、各集落でお年寄りに知らないうちに移してしまうかも)という心配をしなくてよくなるということです。こちらはまだ確定ではないので、用心する必要がありますが、いい情報でしょう。

ではどうすればいいか

島を全部封鎖しろ、とかっていう荒っぽいことでもなく。でも手洗いうがいを徹底しましょう、みたいなレベルでもなく、対策を練っていかなければいけません。

島だからできる水際対策

できれば誰かがJAC、種子屋久高速船、折田汽船と話して、搭乗、乗船前に体温を計測するのがいいでしょう。町長がやってくれたらいいけど、それが無理でも観光協会かどこか。症状が体温に依存しすぎるのは問題ですが、それ以外の計測方法がないので、まずは体温。もちろんそれ以外の目立った症状の見分け方が今後出てくるでしょう。

と、思ったら、こんなニュースがありました。

在韓米軍、「酢のにおい」で新型コロナ検査…感じなければ追加検査

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中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします

とにかく症状のある人は入島をご遠慮いただく。これが最初に大事なことでしょう。

上記のチェックを、ガイドアクティビティの当日にも。そしてガイドにも

各交通機関とは折衝が必要になるし、実際どこまで動けるかわからない。でも、すぐにできる対策から。

ガイドアクティビティ当日に検温等のチェックを、ガイドにもお客様にも課すのがいいと思います。これは観光協会のガイド部会で先導してもいいし、ガイド連盟で先導してもいい。そして、このことをいち早く公表すれば、イメージ的にもいいと思います。ガイドにも、というところがミソ。島としてはお客様からうつされるのを恐れますが、お客様的には正常性バイアスで、自分は大丈夫、って思っているからこそ来ている人たち、ですから、島のガイドからうつされるのを危惧しているでしょう。

この施策のためには、ガイド間で協力し合わなければいけません。ガイドが(コロナ以外でも)既定の体温より高ければ当日朝にピンチヒッターを探すことになりますから。縄文杉ならば周囲のガイドにお客様振り分けるだけで何とかなると思います。

お客様で体温が高い方、症状がある方はご遠慮いただきましょう。そして、その但し書きを先に謳っておかなければいけないでしょう。

できれば、ガイドツアーだけじゃなく全員にできるといいんですけどね。

ガイドもお客様もマスク着用、車内では会話しない、を徹底する

屋久島といえば縄文杉だったり宮之浦だったり、ネイチャーアクティビティがメインでしょう。

今のところ3密に該当しない外でのアクティビティはコロナが移りにくいといわれています。

ただ、そこに行くまでのタクシー、バス、車の中はまさに3密。ここで、会話しないこと、マスクを着用すること、車内で会話しないこと、を徹底しなければいけません。とても大事。こちらも先に断っておかないと、お客様が質問しはじめるでしょうから、先に言っておくべき事項でしょう。

山の間も基本マスク着用、とするのがいいと思います。

避難小屋はしばらくは使わない

これは、表立っていうと環境省とかと問題になりそうですが、基本的にはしばらくの間、山泊の場合、お客様グループ同士を混ぜずに全部テントに振り分けるべきだと思います。そしてテントは毎回消毒、もしくは使用の間隔を1週間以上あける。

モノに付着したコロナウィルスは2-3日は生存しているようです。不特定多数の集まる避難小屋はリスクが高いでしょう。

新型コロナ、通常呼吸でも伝染か 米がマスク指針変更の見通し
【4月4日 AFP】新型コロナウイルスが通常の呼吸や会話を通じて伝染する可能性があるとの見解が、米国の科学者らから出されている。

飲食は出前、ケータリングに移行

居酒屋、いいですよね。屋久島の海の幸。私も好きです。

でも、それはもう感染経路としてすでに確認されているものなので。そうすると、晩御飯に関しては、宿で食べるか、各居酒屋の出前か、という話になるでしょう。

これも、横並びで居酒屋は全部やりません、その代わり出前が行きますので、みたいなことが島全体で共有できるととてもいいと思います。

宿はドミトリー禁止

屋久島の場合、素泊まり宿でも安いのであんまり多くないですけどね。ドミトリーはダメでしょう。

過剰反応だといいのですが

もちろん、平常通りで行けるならそれが一番いいと思います。明日にでもワクチンが開発されて、すぐに収束、というようなことが起こればいいのですが、それもなさそうです。

屋久島に限らず、地方の観光地は、これから、人を大っぴらには呼び込めない、でも呼ばないと成り立たない、という二項対立に悩まされると思います。

早めに、過剰に。実行まで持っていけなくても、考えて、議論しておくのは絶対に有意義だと思います。おせっかいながら、ぜひよろしくお願いします。

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山日記
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経営と登山のあいだ
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