雪がない!と嘆くより、今ある雪を楽しもう

スポンサーリンク

今年も行ってきました、冬シーズンの緒戦、北岳ツアー。

例年だと11月の文化の日にやるんですが、今年は2回設定、1本目はちょっと早めて10月最終週に行ってきました。この時期の北岳、人も少ないし、紅葉と雪と両方楽しめるし、穴場感があってとても気に入っています。この夏、バットレスで数度お世話になった白峰御池小屋までの道も、もう通い慣れてきた感じ。

スポンサーリンク

雪がない、のは確かにないけれど

この頂上写真を見たお客様から、「雪がない!(泣)」って言う反応をいただきました。確かにないですよね。

ただ、これで、今年もまた雪が少ないんじゃないか、って思うのは早計です。

その理由は2つあります。そもそも北岳の頂上は風が強く、厳冬期でも大して雪がつきません。そして、この時期、1週ずれると言うのは、大きな差があります。

例えば、夏山で8月10日と8月20日だと登山道の状況に大きな差はありませんが、雪の降り始めと雪の溶け始め、つまり、初冬シーズンと残雪シーズンは1週ずれるだけで大きな差になります。例年通りだと11月頭に行っているので、10月末に行く時点で、雪が少ないのは承知の上、と言うことになります。ちなみに、肩の小屋より上はチェーンスパイクかアイゼンがないとちょっと難しい程度には積雪がありました。

雪がない!って嘆きグセがついてきた今日この頃

SNSだったり、山小屋だったり、登山者同士で、雪がない!っていう会話が当たり前になったのがここ5年ぐらいでしょうか。私は中高時代は雪山はほとんどやってませんので、雪山経験は大学に入った2000年ごろからなんですが、確かに雪が減りました。昔の厳冬期と今の厳冬期の記録を並べて考えていいのだろうか、と思うほどです。

ただ、その頃から雪山やっている人の口癖が伝播しているだけに思えることもよくあります。今年は雪が少ない!って嘆いている人が雪山歴3年だったりすることが多く、そもそも多い年を知ってましたっけ?って話だし、これからだって地球温暖化で増えていく可能性は薄いわけで、そんな昔話をしててもなーと思います。

私も含めて、昔から雪山やっている人が、したり顔で「昔は〜」って話すのがよくないんですけどね。それが伝播してしまっている状況もなんだかなーと思ったりします。

今でも十分変化がある。学びもあるし楽しめる。

確かにドカ雪は少なくなりましたが、ここ3年ほどでも、毎年同じじゃありません。

初雪が早くて、一旦溶けた年もありましたし、今年は割と最初の雪が根雪になっていますし、2月になぜか暖かくて溶けてった年もありましたし、4月になって結構降った年もありました。

これも、北アルプスと南アルプスと新潟湯沢周辺と、八ヶ岳と富士山では状況が全然違います。

ずっと雪が少なかった八ヶ岳でもガイドさんが雪崩で亡くなるほどの雪だったこともありましたし、逆に富士山の雪が全然ない、なんてこともありました。しっかり気象を学べば、冬型の強弱だったり、南岸低気圧の位置で各地域ごと天気が読めるようになってきますので、ぜひ経験を積んでいってください。そして、雪がない、って嘆いてみても、全く雪がなくて雪の怖さがないシーズンはまだありません。降れば閉じ込められたり、ホワイトアウトしたり、と言うことは十分に考えられます。

今日と明日の状況が全く違うのが雪山の怖さであり、面白さです。過去と比べて嘆くよりも目の前の環境で楽しんだり学んだりしていくのが大事です。

そもそも大雪に耐えられるだけの体力あるんかいな

雪が多い、ってことはラッセルをする機会が多い、ってことです。わかってるのかな?

誰かがラッセルして作ってくれた道しか通ったことがない人がよく言うんですよ。「雪山の方が登りやすい」って。この言葉、聞いた瞬間、雪山経験の薄い人だな、って判断しています。私は。

確かに、ラッセルさせてもらえる機会は減りました。昨年だったかな。白毛門でバリバリラッセルして、しっかりその日に登ってた人たち全員にラッセル泥棒されて(笑)、しかも頂上手前でラッセル泥棒組が先に登頂するということがありました。まぁ、ラッセル自体、機会が少なすぎて、最近はイヤイヤやる、というよりはさせてもらう、という感じなので、嫌な気がしたわけではありませんが、こういう経験が少ない人たちなんだろうな、とは思いました。

一昨年とその前の年は、GWの北穂にトレース引いたりしました。この時は、頭に「愛」って書かれたヘルメット被ったおじさんと、2人で、どういうルート取ろうか、相談して2人で詰めていきました。楽しかったな。早朝4時前からトレース引いているのが涸沢のテント場から見えて見たのでしょう、下山したら、拍手で迎えられたりしました。その愛のあるおじさんとは赤岳で再会したり。

今年も雪山シーズンがスタートです。いろんなドラマが待っているはずです。

雪が多ければラッセルになります。その体力をしっかりつけましょう。そして、雪が少なくても嘆いてばかりいられません。どんな時に降るのか、どんな時に荒れるのか、しっかり経験としてつけていきましょう!

↓11月3日発はまだ空いてますよ! (結局宣伝かーい!)

初冬の北岳
コース紹介
スポンサーリンク
山日記
スポンサーリンク
atsushiyamaをフォローする
スポンサーリンク
経営と登山のあいだ
タイトルとURLをコピーしました