4月~6月頭というのは、ツアー登山は繁忙期じゃないんですが、ツアー登山に参加されるお客様は、夏に向けて体力調整で低山を登り始めたり、走ったり、自転車乗ったりし始める時期かと思います。
この時期にサボると、夏に確実に影響が出ます。かと言って、今のコロナの蔓延を見ると、ザック担いで中央線乗って、はさすがにかなりの強い心臓がないと難しそうです。そもそも電車もリスクが高いので、できるだけ避けたい。
と、いうわけで、自宅でできるトレーニングの内容と考え方をご紹介。コロナのせいで夏山でバテバテ、とならないように!
山に行くのだけが山のトレーニングではない、が、山に行かずに鍛えるには戦略が必要
登山、って低山でも勝手に総合的にトレーニングできるんですよね。だって、ジム行って、有酸素運動、って言っても、5時間も6時間も体動かさない。山だと低山でも5時間とかは余裕で歩くじゃないですか。そういうタイプの運動ってなかなかない。傾斜もそれなりにあって、それなりの頻度で出てきて、「総合力」を勝手に鍛えるにはちょうどいい。
が、一方で運動負荷が弱すぎる、という問題もあります。
こんなことをfacebookで書きました。
家トレの場合、山に行くような5時間も6時間も運動しない代わりに、負荷をきっちりかけていけば短時間で山行くよりも有効なトレーニングになります。じゃあ何をやればいいか。
やっぱり走っている人は強いんですが、スクワットも必要。そして、お前、クライミングクライミングって言ってんじゃん、みたいな。何からやればいいのよ感があると思うので、その辺の考え方を。
山のトレーニングを分解すると3つ
登山に向けてのトレーニングは、大きく分けて3つ。心肺系と筋力系と足の裏の神経系。
上記の走っている人は強い、は心肺系の話です。だから、多少でもマラソンやってる人は強い。ぜーはーなかなか言わない&ぜーはー言うのに慣れてるから、ぜーはー言い出してから強い、です。
一方で、そういう人も、荷物の量を多くすると一気にダメになったりする。これが筋力系です。山の人でよく、足がつる、って人いますが、これも筋力系の話。ちょっと筋力つけると変わるかもしれません。
もう一つ大事なのが、立ち方足の裏の神経系。これはなかなか鍛えられないんですが、これができるようになると立ち方が安定して、転倒しにくくなります。ガイドやって何万人もお客様見ていると歩いているだけでわかるものです。特に、橋やガレ場で歩行が安定しない人はこれを考えるといいでしょう。
心肺系のトレーニングはゼーハーいうことが必要
心肺系のトレーニングは、簡単に言うとVo2max(最大酸素摂取量)を上げるトレーニングです。
これには有名なタバタ式、というのがあって、知っておいて損はないと思います。1日4分。たった4分ですよ。4分で夏の登山が楽になるならこんな簡単なことはない(やってみたらわかるけど、全然簡単じゃないw)
本家本元、田畑先生のいる立命館で、「TABATAプロトコルやってみました。」があるので見ておきましょう。
このタバタ式の特徴は、こう書かれています。
タバタトレーニングでは、20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットで疲労困憊に至る間欠運動を行います。8セット=4分間と聞くと、「そんな短時間で効果があるの?」と感じるかもしれません。しかし、田畑教授の研究の結果、4分間の間欠運動によって、大多数の人が「有酸素性エネルギー」も「無酸素性エネルギー」も、同時にかつ、最大に刺激されるということが証明されています。
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/tokushu/151106/
ようするに、どんな運動でもいいから20秒頑張って、10秒休む、を8セット繰り返す、ということ。自転車、バイクのような有酸素運動でも、腕立てのような筋トレに近いものでも構いません。私は、バーピーでやっています。きつい。
誰も20秒測るの、手伝ってくれないよ!って方は、Tabatatimerなるサイトがありますので、ぜひご活用を。
筋力系は、足回りと脊柱起立筋
結局、いろいろやったって続かない、という人はぜひプランクを。
30日間プランクチャレンジ。30日たたずにコロナが収まってプランクチャレンジそっちのけで山に行けることを祈って。
要は、体を棒のようにまっすぐにして、つま先と肘で支える、というもの。きついよ。
足回りも脊柱起立筋も両方同時に鍛えられるから便利。同時というより弱いところに効いてくる感じ。
足の神経系はタオルギャザー
15年ぐらい前から言い続けてるんですが、山やっているお客様の足の置き方が雑。だから転倒するし、重い荷物持てない。
クライミングやれれば一番いいんですが、そうもいかないでしょうから、暇さえあればタオルギャザーしましょう。こういうの。
これで、指が鍛えられて、足の力が付きます。
みんな山登るとき足を「置いて」いるんですが、どっちかというと指で地面を「つかむ」んですよ。
山は個別事情を許容してくれない
ばてたときに、ガイドに言い訳できても、仲間に言い訳できても、山はそんなの考慮してくれません。
夏にいろんな大きな山に行きたければ、精神的に落ち着かない日々ではありますが、しっかりできるトレーニングをしていくしかありません。
頑張りましょう。夏までにはコロナが収束していることを祈って。