大城先生の「登山再開に向けた知識(計画と準備編)」が公開されていますので、ご一読を!

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山岳医療救助機構(運営:大城和恵先生)のサイトで、「登山再開に向けた知識(計画と準備編)」が公開されていますので、ぜひご一読を!

登山再開に向けた知識 (pdf:25ページ)

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ボリューム的には「山小屋の利用再開に向けて」がメイン

前半部分の、

  • 新型コロナウィルスの特徴
  • 感染防護について(医療施設外)
  • 重篤化している人の特徴
  • 「洗浄」と「消毒」の違い

までは、登山特有の話ではなく、Covid-19の情報にある程度アンテナを張っている人であれば、おさらい的な内容でした。

圧巻の内容だったのは、「山小屋の利用再開に向けて 」全25ページ中10ページ。表紙と終わりにを除いたほぼ半分が「山小屋の利用再開に向けて」に割かれている力の入れよう。

「山小屋の利用再開に向けて」をコメント付きで1ページずつ

主に山小屋を運営する事業者向けのメッセージかと思うのですが、登山者としても、注意深く読む必要があります。

例えば、ここで書かれている「毎日消毒すべきところ」というのは、感染源となりやすい、ということでしょうから、これらを触る前後での消毒というのを心がけた方がよい、ということになるでしょう。マメに消毒、と言ってしまえばそれまでですが、その指針があると、マメ具合の程度下限が分かっていいでしょう。

ほとんどの山小屋で、登山者は入館前に体温を測定、となると思います。並ぶことも予想されますので、余裕をもって到着するようにしなければなりません。

また、小屋が用意しているアルコールジェルなども在庫量に限界があるでしょうから、できる限り各自で持っていくようにしましょう。

マスク着用、手洗い励行、ごみの持ち帰り、などは当然として。

小屋での寝具提供の有無は要確認です。寝具提供なしでそれぞれ寝袋、マット持参となる可能性もありそうです。

食器、カップ、カトラリーなども自分のものを持参した方がよさそうです。食事の座席配置は小屋の方でかなり気を使っていくと思いますが、できる限り協力しましょう。場合によっては、夕食も弁当にして小屋の外で、というのもありだと思います。いいじゃないですか、夕陽を見ながら大自然の中の夕食。寒そうだし、天気悪いときのことも考えないといけないけど。

就寝スペースに関しての2m間隔、頭の位置まで指示、というのは確かにな、と思いました。当然、就寝中もマスク着用。むしろ、高山で乾燥しているから、普通にそれもありなのではないか。

スタッフの居住スペースを登山者の導線から離しておくこと。

一般登山者は大丈夫だと思いますが、なじみのお客さんとかガイドとかが、いつものノリでフラッとお酒片手にスタッフ部屋へ、、、というようなことを慎まないといけません。

食事、おかわりのセルフサービスをしない。この際おかわりなしになっても誰も文句言わないでしょう。。。

登山者的にはこの部分。

バフを防護用品にする場合の注意
ウールでなく綿製品を選ぶ
マスクにする場合は、折り重ねて複層にする。1層ではダメ。

かぶる場合は髪の毛すべてと耳を覆う

最後の4ページは、山小屋スタッフ・管理者用。

これだけのことを、すべての小屋で徹底できるかはわかりませんが、今夏営業する小屋(まだ、どこが営業するかわかりませんが)は、皆一様にかなりの試行錯誤の中いろいろな準備をしています。

「登山者に向けて」

フェイスシールドの作り方のノウハウみたいなのが登山者間で出回りそう。

山に行く際に必要なコト

今夏は山小屋を敬遠する人もいれば、登山自体を敬遠する人もいるでしょう。逆に山小屋が開くのであれば、できる限り(経済的な)協力をしたい、お金を落としたい、という考えもあると思います。

今は、「正解」はありません。

ただ、許容しあうことが大事なフェーズに移ってきます。そして、対応のノウハウを蓄積していきましょう。それが我々が行動できる範囲を広げていくでしょう。

山小屋に行く人たちも、できる限り協力し、そして、お互い許容しあう、という心がけをしましょう。全員はじめてのことです。あなたのスタンダードは私のスタンダードとは違うでしょうし、それはどちらが正しいわけでもありません。そして、そのスタンダードは来週見つかる新たなエビデンスによって、両方ただの取り越し苦労に終わるかもしれないし、全然違う行動様式を求められるかもしれません。

これから必要なのはブレーキじゃなくてエンジンブレーキ

みんな、初めてのコトで、不安で、何が正しいかわからなくて、今日「この夏は山自体やめておこう」と思っていた人が、こんな投稿みたら「あれ?山小屋泊も行けるんだっけ?」って思っちゃうかもしれません。それは本意ではないです。

お前、この前まで自粛自粛言ってたじゃないか、という意見もあるでしょう。

政府の緊急事態宣言が出ている間。これは私が出していたのは、一貫して自粛メッセージでした。時々事故のニュースを見たかもしれませんが、多くの人が自粛していました。一部の山域を除いて、人が圧倒的に減ったという話を聞いています。

ただ、緊急事態宣言が解けた後まで、全員が自粛していることができるでしょうか。私は、今は宣言の解除が一つの契機になって、なし崩し的に登山者が溢れ始める、という状態になることを危惧しています。

その前にやらないといけないことは、どういう状態だと行くべきではなくて、どういう山域選びをしなければならなくて、どういう準備が必要で、どういう登山の行動様式が求められて、どういう登山後の対応が登山者全体のプラスに寄与していくかという行動指針。ブレーキ解除でいきなりアクセル全開にならないように、ギアを絞ってエンジンブレーキをかけていくことが必要です。

そういう観点で、山小屋泊部分での大城先生の今回のpdfは非常に参考になりました。ぜひご一読を!

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経営と登山のあいだ
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