ガイドをしていると、屋久島とか、北アルプスなんかでもテント泊だったりでご飯のレシピを考えないといけない時が結構あります。そのとき、私が考えているのはいかに肉を食べてもらうか。要するにタンパク質をいかに摂ってもらうか。魚でもいいのですが、日持ち的に肉の加工品を使うことが多いです。ベーコン、ハム、ソーセージなど。
違うんですよ、翌日のお客様の動きが。タンパク質摂ると。でも、お客様を見ていて、行動食を買うときに、糖質(炭水化物)やカロリーを意識する人はいても、タンパク質を意識している人は比較的少ない気がしています。
そこで、今回は、行動食におけるタンパク質の話。簡単に言うと、もうちょっとタンパク質を意識した行動食に変えることによって、連日あるくのが楽になるし、翌日の疲労や筋肉痛も軽減しますよ、という話。
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行動食は糖質万歳に偏りすぎ。タンパク質も考える。
行動食と言えば糖質。パンやおにぎりで糖質を入れましょう、シャリばてを防ぎましょう、の一辺倒。一方でタンパク質は足りているんでしょうか?タンパク質と言えば、トレーニングなんかする人はわざわざプロテインをとるぐらい大事な栄養素。3大栄養素のひとつです。
簡単な計算をしてみましょう。
平常時に1日に体を維持するのに必要なタンパク質摂取量は体重(g)と言われています。例えば、体重60キロの私で言えば60g。これが運動していない平常時。激しい運動するとその2倍くらいのタンパク質が必要。120g。
登山だと、筋トレ的な激しい運動ではないので、その中間の90gぐらいとればかなりいい方。できれば120gにできるだけ近づけたい。
計算してみればわかりますが、登山中に1日120gのタンパク質を摂るのは至難の業です。
例えば、山小屋の夕食で豪勢にステーキが出たとします。肉!と思って食べますが、ステーキでも100g中、タンパク質の量は20gちょっと。翌日に卵焼きかなんかが出て、卵が6gくらい。そう考えると、山小屋のご飯。朝晩合わせて、30gぐらいしかタンパク質を摂れていない。
90gを行動食で補わなければならない。タンパク質は筋肉を使って、筋肉組織が破壊された後に超回復で補う素材みたいなモノ。足りなければ疲労が残り、筋肉痛になるのは当たり前なのです。
90gの行動食。。。ゆで卵だと15個。タンパク質だらけに見えるプロテインパウダーをシェイクしても20gちょっとですから、4回分。チーズだとスライスチーズ1枚4gくらいですから20枚。よほど意識しない限り足りてないですよね。
タンパク質!と思って魚肉ソーセージなんかをかじっている人もいます。いいと思いますが、ちょっと成分表見てください。意外や意外、ソーセージってタンパク質より炭水化物が多かったりするんです。
行動食のタンパク質はアミノ酸では、全然足りない
ちょっと慣れてきた登山者、特にツアー登山とかで情報通だったりすると、アミノバイタルとかアミノバリューとか持って行っている人も多いです。今はアミノバイタルのほうが多いかな。
でもね、量で言うとやっぱり全然足りません。アミノバイタルの金色で1本4g。ゆで卵1個分にもなりません。
もちろん、ゆで卵とアミノバイタルでは摂る目的が違います。アミノ酸やペプチドの特長は吸収の早さ。量を補うためのものではないのです。だから、疲れてきたなーと思ったとき(できればそうなる少し前)や運動直後にアミノ酸を補給することは意味がありますが、食後等に摂ったところで、寝ている間に筋肉の疲労を回復させる量としては圧倒的に足りないのです。
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では、タンパク質を摂るためにどんなものを行動食にすればいいか
私が良く行動食で使っているものを紹介しておきます。
まずはプロテインバーを持っていきます。マツキヨのプロテインバーか1本満足バーのプロテイン。これを2本で30gになります。これだと普通の行動食の延長線上、という感じでしょ?
コンビニで売ってます。
あとはサラダチキン。こちらは大きいやつだと食べ方にコツがいるので、サラダチキンバーとかのほうがいいと思います。
あとは、スライスチーズ、ゆで卵、サラダフィッシュ。
はごろものサンマで健康、サバで健康シリーズもよく使っています。
こちら、常温保存可能なので、数日間山に入るときでも大丈夫、というのがいいです。冷蔵保存のサラダチキンでも気にせず食べていますが。
山小屋でプロテインシェイクして、というのは人によって心理的?にハードルがあるかと思いますが、行動食を可能な範囲内でタンパク質を増やす、なら可能ではないでしょうか。
きっと、バテにくい登山ができるようになりますよ。あとは好みと相談して、工夫してみてください。