漫然と登山を続けていれば、ジャンダルムや大キレットに行ける実力がつくという幻想

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私の富士山ガイドの後輩でmikipediaというブログを書いている植田さんという人がいます。

クライミングと登山の違いはあれど、同じ大学、大学での夏のバイトが同じ、そしてコンサル業を経て、アウトドア業界、というよく似た経歴で、年に一回ぐらい、たまに飲んでも(彼はあんまり飲まないんだけれど)、とってもオモシロイ人です。で、彼のブログのmikipediaはクライミング業界でとっても有名で、私が好きな記事がいくつもあるんですが、そのうちの一つに「ただ登っていれば強くなるという幻想」という記事があります。

ただ登っていれば強くなるという幻想
僕は登る前にはなるべくストレッチをするようにしている。 怪我予防とか足上げをし易くするためというのもあるのだけれど、もうそれがルーティン化してしまいやらないと気持ち悪いからやっている。 しかしふと気づいたのだが、毎日ストレッチをしているのに

僕らが毎日ただ通勤で歩いたところで競歩の達人にはならないし、3食ご飯を漫然と食べてもグルメにはならないし、毎日パソコンのキーボードをひたすら叩いたところで驚異的なタイピングスピードは得られない

これはクライミングでも僕自身を含めて同じ事が起きている人がたくさんいるんじゃないか

今よりもっと上手くなって強くなって更に先に広がっているクライミングの世界を見たいなら、漫然と同じことを繰り返して同じ場所にとどまっている現状を打破しないといけない

本当にシンプルに要約すると、上記3文でこの記事は要約できるんですが、本当にすべての業界で横展開できるぐらいの大きな示唆を含んでいると思っています。登山でも。

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登山はクライミング以上に漫然としている余裕はない

登山は、クライミング以上に漫然と登っている余裕はありません。漫然とやっているだけで成長するには、登山は費やしている時間が短すぎるのです。

皆さん、年間何回登山してます?登山だとめちゃくちゃ多い人で、毎週末で月4回、年間50回。天候やほかの予定がある日を除くと年間30回ぐらい?それで極端に多い人でしょう。月1の12回行っている人だって、全体で言えばかなり多い部類になるでしょう。

一方、例えばクライミングをマジメにしている人は、インドア入れると週3とか週4やってたりします。週3でやっていても、漫然とやっていると壁にぶち当たる、と言われているときに、登山の月イチぐらいで、何も意識せずに壁にぶち当たらないはずもありません。

登山で「実力をつけようとする」ならば、1回1回の山行というのは無駄にはできません。課題意識をもって、何に取り組むか、を考え、試行錯誤する場であるべきでしょう。そのためには悪天であえて行くこともあるでしょうし、ムダに荷物を増やすこともあるでしょうし、あえて水分摂らない、あえて行動食摂らない、みたいなことも考えられるかもしれません。

そして、何より登山日数以外での、いわゆる下界でのトレーニング、過ごし方も大事になってきます。

目標とする山が本番登山なら、それまでに積み重ねる山行は練習登山、そして、下界でのトレーニング、練習という3つの組み合わせと意識づけが非常に大事になってくるのです。

しかも、登山は壁にぶち当たらずに行けたりする

これが結構大問題だと思っていて、登山の得意な(だと自分で思っている)人って多くが下界で努力しません。反復練習大キライ。晴天と山ご飯が好き、みたいな。

だから、自分が向いていないできないことを突き付けられると、「それは必要ない!」って向き合わない癖がついている。クライミングもそう、体力作りもそう。

ハッキリ言って、クライミングの足の先端で立つ感覚もつかめずに、アイゼンが使えていると思っているのが不思議だし、ツアー程度のペースでついていけるだけで体力があると自信を持っているのもとても違和感。ちょっと少人数のハードツアーに参加しただけでアップアップになる人がたくさん。そもそも支度が圧倒的に遅いし。

できない、を自覚しなくてもいけてしまう。ある程度の地の体力(登山の体力じゃなくて)があればある程度こなせてしまう。でも、それって器用貧乏なだけで、次の世界では全く通用しないのよ。

目標がなければ、現状のまま楽しむという選択肢だって悪くない

目標がないなら、ただ山行を楽しんでいるのも悪くないと思います。登山ってそもそもレジャーの側面が強い。ドSな運動部のコーチみたいなブログ記事ばかり書いてますが、春にお花を楽しみ、夏に景色を楽しみ、秋に紅葉を楽しみ、冬はやらないか、スノーシューぐらい。無理はしないし。行くところは行きたいところリストの中の行けるところリストから。みんなの「ジャンダルム行ってきたよ」って話にも、うらやましい気がするけど、実感を持っていきたいわけでもない、もしかしたらそれぐらいに登山に取り組んでいる人が一番楽しんでいるかもしれません。そんな登山のスタンスも悪くない。

でも、目標に本当に取り組みたいのであれば違います。目標とは、現状から離れたところにあるから目標なわけで、現状のままでは難しい、と思っているから、目標でしょう?

皆さんは、今一番行きたい山、って聞かれて即答できるような場所はありますか?

あそことあそことあそこ、みたいな、ゆるい行きたいところじゃなくて、ほかのところをとりあえず後回しにしてでもここに行きたいんだ、というような、「目標」。それがあるならば、そしてそれが今の自分にはまだだ、と思っているなら、努力して、自分を成長させなければいけません。

登山の人は、すぐにあっちもこっちも病にかかりますが、本当に行きたいところ、執着しているところ、ありますか?そのためだったら日常から、ちょっとぐらい苦しくても自分をプッシュできるところ。

ゴールが先にできれば取り組み方が変わる

取り組み方が変われば自然とゴールにたどり着くんじゃない。ゴールができるから自分をプッシュして取り組み方が変わるんです。

そして、その取り組み方は、自分ができているところを見つけて自分をほめてあげる、ではなく、自分のできないところを見つけて自分と向き合う、という楽じゃないものになります。

それでもね、新しい世界が見られるというのは素晴らしいことなのよ。

以前だったら、登山何十年もの経歴を持った人しか行けなかった海外登山だって手に届く範囲内にあるようになったし、日本アルプスだって小屋が整備されていきやすくなった。冬に営業している小屋も増えて、次の世界には行きやすくなった。

そんな新しい世界を見たければ。インフラがいくら整っても、ツアーがあっても、ガイドさんがいても、自然と向き合うのは自分自身なんです。だから、1人でも多くの人に新しい世界の扉を開く素晴らしさを味わってほしい。そんな思いを持ちながら、キリマンジャロツアーだったり、冬の赤だけだったり、アコンカグアに下見にいったりという日々を送っております。

さ。まだまだ冬ツアーは続くよー。

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