アコンカグア挑戦記(14) アコンカグアってどんな山?良くある質問に答える

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いよいよアコンカグアへの登山開始です。
南米大陸の最高峰、7000m峰(実際には6960m)に登るというといろいろな質問を戴きます。今回はその質問に答えてみよう、と。
Q1. アコンカグアの標高は?場所は?
アコンカグアは、標高6960m。でも、地図によって少しずつ標高が違います。6962m、6964mなどの表記が見られます。どれが本当かは謎。
ちなみに、地球上でユーラシア大陸以外で一番高い山です。ユーラシア大陸には、8000m峰の14座、天山山脈の7000m峰などがありますが、それ以外の場所では、一番高い所。アンデス山脈の最高峰です。
場所は、チリとアルゼンチンの国境近くのアルゼンチン側にあります。サンチアゴとメンドーサの間。
Q2. 酸素は使うの?
酸素ボンベは使いません。酸素を使う場所というのは、8000m峰がほとんどで、しかも8000m峰の中でも高い山にしか使いません。これは、この記事に書いたとおり。アコンカグア無酸素登頂と言っても、なにも言ってないのと等しいです。ずっと思っているのですが、無酸素登頂っておかしくありません?正しくは無酸素ボンベ登頂。エベレストの頂上でも1/3程度の酸素は空気中にありますので。。。
Q3. じゃあ、酸素の濃さはどのくらい?
よく知られてないことなのですが、酸素の濃さは標高と緯度によって異なります。地球は自転していて完全な球形ではないため、同じ標高でも、緯度の高いところほど酸素が薄くなります。
一般的に言われているのは6000mで半分くらい、8000mで1/3くらい。その間なので40%ぐらいでしょうか。ただ、上記の理由で、同じ4000mにいても、キリマンジャロやネパールよりは酸素が薄く感じます。実際に血中酸素濃度も低いですし。
Q4. 登山期間は?
人によって異なりますが、2週間~3週間とすることが多いようです。登山期間中は4000m以上の場所に常にいます。この4000mという標高、人間が定住している標高より上になります。つまり、じっとしているだけで体力がそがれていく。
そのため、長い期間であれば良いというわけではなく、体力と順応のスピードにあわせて予定を考えていくことになります。長くいればいるほど体力はダウンしていくが、標高にはなれて行く。そのバランスをとって、あと天気の良いときに登頂アタック、となります。
Q5. 登山許可は?
登山許可は現地のメンドーサという町ですぐに取れます。詳しくはこの記事。1200ペソ、3万円ちょっとです。
Q6. 必要な装備は?
寒さ対策が一番重要で、日本の冬山の服装となります。ただ、乾燥しているので、防水対策はほとんど必要なし。ダウンジャケットやダウンパンツがあると良いです。靴は2重靴の方がよいです。
登攀の要素はほとんどなく、ピッケルは要りません。頂上直下でアイゼンは必要です。
全ての装備は現地でレンタルも出来ます。
Q7. 必要な技術は?
登攀の要素はほとんどなく、技術というより、体力と根性が必要です。こう書くと、誰でも登れそうに聞こえますが、6000m越えて、酸素が薄く体が思うように動かない中、根性を保ち続けるのは結構大変です。
Q8. 登頂率は?
大体30%程度といわれています。実際、私の登っていた時の周りのグループを見てもその程度でした。
Q9. どうして登れないの?
最終日の出発までは行く人が多いようです。6000mを越えて、体が思うように動かず、ペースが上がらないので、時間切れ(その体力のないまま夜に突入できないので)となる人が多いようです。
Q10. 誰でも登れるチャンスがある?
南米のバックパッカーで登山経験のほとんどない人でももひょいと登ってしまうこともあれば、日本で十分に経験を積んでから来ても登れないこともある山です。一ついえることは基礎体力の重要性。馬を使って荷揚げしてもポーターを使っても、最後は自分の足で上がらなければならず、標高の高いところでそのペースを保つためにはやはり基礎体力が重要です。同じ理由で少しでも若い方がよいですし、少しでも日本でトレーニングをしてからきた方が良い山です。
チャンス、という意味では誰にでもチャンスのある山です。但し、せっかく南米まで来て登山するのですから、しっかり準備した方がよいですね。
少しはイメージ湧きましたか?
アコンカグア
▲BCから見るアコンカグア

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