山は逃げないけど、チャンスは逃げる

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みんな簡単に言うんですよね。「山は逃げないから」。

確かに山は逃げないけど、山に登るチャンスはそんなにいつまでもどれだけでもあるわけじゃない。山は逃げないから、っていうのは、普段からチャンスをしっかりモノにしている人が、天気とか不慮のケガとかで行けなくなる時に、慰めるために他人が使う言葉であって、自分が山に行けないときに言い訳にする言葉じゃない。

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今後何回登れるうちのワンチャンスか

お客様見ていても、それほど体力の落ち込みを意識せずにそれまで通りの登山を続けられるのって70歳くらいまで。どうしても70越えると、体力の落ち込みと相談しながらの登山になります。いくら若そうに見えても。登山を続けていらっしゃる方はたくさんいますし、もちろん私のお客様にもいます。でも、毎年、どこに登れるのか、という自分の体力の落ち込みと相談しながら、になるわけです。

70からご自身の年齢引いてみてください。それが皆さんの今想像している登山を続けられる、登山寿命の最大値だと思ってください。それでもマックス頑張った時の最大値。体力の落ち込みは早ければ60代でも十分訪れます。そこに、ここ1年の登山の回数を掛ける。月イチで登っている60歳の人だったら、残り120回。例えば、冬は行ってなくて夏に大きな山行を3回する人だったら、大きな山行は30回。1回失うということは、人生残り30回のうち1回を使う、オオゴトなわけです。

なんでこんな不都合な真実をつまびらかにしているか。私もツアー会社を経営しているイチ登山ガイドなわけで、「若いですねー」「元気ですねー」って言っていれば、その場ではお客様は喜ぶだろうし、クレームにもならないでしょう。お客様だってこんな厳しいこと聞きたくない人がほとんどでしょう。でも長くお客様とお付き合いする私としては、どっかで引導を渡さないといけないタイミングが来るわけで、それを最大限伸ばしたい、そのために早く気付いてほしい、と思っているんです。気づいたときには遅い、という人が多すぎるんです。

体調不良での参加を求めているわけではない

何が言いたいか、って山行決めたらしっかり体調整えていきましょうね、ってことが言いたいわけです。山行は出発時点からじゃなくて、少なくとも2週間ぐらい前からは始まってますよ、と。体調不良でも押して山に行きましょう、って言っていません。

エベレストなんて、1年前から体作りました。エベレストまでいかなくても、数週間前には意識しましょうよ。今後の人生何回かの内の貴重な1回ですから。

私は、今でも山行かないときは走ってますし、筋トレもするし、サプリもガンガン使います。よくお客様に「よくそれだけ山行って身体大丈夫ですね」って言われますが、それだけ気を使ってるし、言い方はアレですが、それだけカネかけてます。だって、例えば昨年の7月なんて、山に行かなかったのは5日。それだけ体調維持するのは、若いからとか体力とか精神論とかだけでは成立しなくて、メンテナンスがとても重要なのです。

先日のクライミング講習で、クライミング2回目のお客様がいて。前回ほとんど登れなかった印象だったけど、その日は1本目、体がこわばってダメだったものの、2本目でしっかり上までテンションなしで登ってて。聞いたら、「前回登れなくて悔しくて、何がダメかと考えて、やっぱりしっかり食べなきゃダメだと思って、昨日の夜も今日の朝も肉食べてきたんです」っておっしゃってて。こういうことだ、と思ったんですよね。方法論が正しいかどうかは置いておいて、しっかり考えて、対策して、準備する。それが山にも大事なのに、みんなぶっつけ本番が多すぎます。

悪天候での参加はきちんと判断を

天候悪いとサクッとキャンセルする人が多いんですが、日にちを自由に変えられるならいいですよ。そうでなければある程度の天候ならば、特にツアーである程度安全確保されているなら経験と思えばいいんじゃない?と思っています。逆に、私はガイドとして悪天下での行動は、お客様に伝えなければならないことだと思うのでできる限り行きます。

もちろん、リスクをコントロールできる範囲内というのが前提。

Yamakaraで言うと、参加時点でリピーターさんたちの申し込みは確認しています。その時点で、無理なお申し込みの場合はお断りするのですが、もちろん晴れ前提。

だから、晴れてないときの山行は、じっくり考えてほしいんです。いい景色が見れないから行きたくない、ではなくて、リスクがあるから行かないほうがいい、という判断ができているかどうか。天気が悪ければ体力も消耗するし、リスクも高まります。でも、長い山行をすれば、すべての日で晴れている可能性はどんどん下がる。そうすると、荒天時の経験も積んでおいた方がいいはず。ただ、天気が悪いときに行きたくない、というのはもったいないと思うのです。

どんな行動も尊く美しい

Nikeのこのマネキン、すごくいいと思うんですよね

どんな人でもトレーニング前から体が出来上がっているわけじゃないし、習慣が確立しているわけでもない。実は一番苦しいのは始める瞬間から、慣れてくるまで。しかも、慣れてきた後の人はすぐにハードルの高いことをこれ見よがしに語り始めます。

そんな内容どうでもいい。毎日20分でもいい、週に2回でもいい。まずは数か月続けること。山行前の2週間でのトレーニングなら、どの山行でも継続すること。

どんな内容でも続けられればそれは尊いし美しいと思います。ハードな3日坊主よりも、ソフトな継続。それが続けられれば徐々にハードにしていけばいい。最初はこっそりでいい。自己満でいい。周囲にアドバイス求めたら、継続できないベストなトレーニングメニューを言われて凹むかもしれない。でもまずは続けること。それが大事なのだと思います。

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登山の心構え
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経営と登山のあいだ
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