常に危険と隣り合わせだという忘れがちなこと

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明日から白峰三山の予定だったのですが、天気図とにらめっこ。金曜の前線通過が確定的になった時点で中止の判断をしました。北岳から間の岳までの稜線上で前線通過だとさすがにひとたまりもありません。もし前線通過が後にずれ込めば農鳥に閉じ込められることもあり得ます。農鳥好きのワタクシでも、さすがに連泊は、、、(以下略

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農鳥小屋に連絡した時に聞いた話

農鳥小屋の深沢さんによると、農取周辺で、今年8月だけで3人亡くなり、2人がまだ捜索中だそうです。そういえば北岳では雷で亡くなったニュースがあり、農鳥の先の笹山でも遺体が見つかっていました。

https://www.minamialps-net.jp/cat_news/329944
https://www.minamialps-net.jp/cat_news/329918

深沢さんからは、「お宅がこの天気で中止にするなんて珍しいなー。まぁ、8月に入って事故が立て続けに起こっているから中止にするほうが賢明かもな。お宅が来るのを楽しみにしとったから残念だけど、また来てくださいよ」と言っていただきました。

シミュレーションできないガイド仕事はできない

確かに、過去もっとひどい予報の天気の時に農鳥までたどり着いたこともあります。じゃあ、なぜ今回中止にしたか。

ただ、私が毎回大切にしているのは、自分自身で最悪のケースのシミュレーションができるかどうか。体力なくてもあってもいいのですが、知っているお客様ばかりならば、何か起こった時の対処法も想像がつくし、どのぐらいのペースならば離れずついてこれるか、最悪休憩なしで歩き続けても何時間なら大丈夫か、などが分かります。隊を切り分けてもこの人だったらスタッフ的に動いてくれる、とかって考えているお客様もいたりします。そうすると、多少の悪天予想でも行けるだろう、となります。昨年の裏銀座や、今年の6月の白峰三山などはそういう考えでした。

一方で、知らないお客様やご一緒した回数が少ないお客様、簡単に言うと私の頭の中のデータベースに入っていないお客様が多くなると判断はどうしても厳しめになります。

ともに、考えているのは安全に進めるにはどうするか、天気がいいときばかりだと気づけない、本当は常に危険と隣り合わせであるということ。天気がいいときだって本当は同じなのですが、悪天でリスクを直視しなければならないようになると、より一層シビアに考えなければなりません。

実は、今回初顔合わせのお客様が比較的多くて、こういう判断に至りました。

ツアー以外で行くときは同じ思考を持ってほしい

ガイド付きツアーで行くときは、想像つかないからチャレンジしてみる、ということもあるでしょうし、勧められるがままということもあるでしょうし、自分自身のシミュレーションができていなくてもいいと思います。できているに越したことはないですが。

ただ、仲間内の山行やソロ登山なんかの場合は、ぜひ行く前に一通り、何時にどこを通過するかとか、どの時間を越えたらエスケープするとか、小屋発を何時まで遅らせることができるとか、そういうことをしっかり考えてから行ってください。特に100%好天予想、というとき以外は。

8月に入ってから死亡、行方不明になっている人たちだって、事故る直前まではきっと自分がまさか、って思っていたと思うんです。どんなに自信があっても、大丈夫だと思っていても、常に危険と隣り合わせ。北アルプスよりは格段に入山者数が少ないであろう南アルプスで1月に5人もの人に重大事故が起こっている、かなりの確率です。深沢さんから聞いて、改めて気を引き締めなければならないと思いました。

それでも最後に

「事故の話して、いやな話をしちゃって悪かったね」だそうです。やっぱりいい人だ。

9月はツアーで行くぞー。

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