登山の行動食では糖質よりもタンパク質を気にしよう、という記事に多くの反響をいただきました。
反響は、もちろんプロテイン持って行ってますよーという方から、目からうろこです、という方まで。中身を読んでいないのか、私の下記方が悪かったのか、タンパク質を行動のエネルギーに使うのは効率悪いよ、みたいな反応もありました。その通りだと思います。
ただ、分かったのは、レインウェアや登山靴などの装備なんかだと詳しく知らなくてもとりあえずゴアテックス、みたいな感じで、知識の底上げされている感じがしますが、行動食に関しては、何も考えていない人と良く考えている人との差が本当に激しい、ということ。
とりあえず、糖質をエネルギー源のメインに行動食を組み立てるとして、何を気にしたらいいか。そのキーワード、GI値について書いてみたいと思います。アブラをエネルギー源のメインにしたほうがイインジャナイカ、という話は、また今度。
GI値とは?
GI値とは、「グリセミック・インデックス」のこと。”ジーアイチ”って読んだり、”グリセミックインデックス”もしくは”グリセミックインデックス指数”って読んだりします。
食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表す。
wikipedia
簡単に言うと、高いほど血糖値をすぐに上げ、低いほど血糖値の上りが遅い。高いほどすぐに吸収され、低いほど吸収が遅い。
もともとは糖尿病と心臓病での研究で出てきた数字です。血糖値の上下動が少なければ、血管の損傷が少ない。血糖値スパイクと呼ばれる、高GIなものを一気に食べることによって血糖値が上がり、それを抑えるホルモンの作用によって血糖値が下がりすぎる、というようなことがないように、そういう病気持ちの人は低GIの食事のほうがよい、とされていたりします。
登山でどう応用するか
登山というのはとっても特殊なスポーツ。1日8時間も動いているスポーツってなかなかありません。エネルギー源となる糖質の摂り方も、一気に吸収されるより、だらだらと吸収され続け、エネルギー源となり続けたほうがいい、となります。だから、基本は低GI推奨。
ただ、ばてたときに一気に血糖値上げたいようなことがあります。そういう時はぶどう糖なんかをなめると体が動き始めたりする。組み合わせが必要なんですね。
「行動食」というときに、ゆっくりお昼ごはんを食べるような時間を取らずに、休憩ごと、行動中に少しづつ食べる、というのも理にかなっています。血糖値を一気には上げすぎずにその分血糖値を下げるホルモンが出るのを抑制し、血糖降下を防ぐ。そうすると行動中の眠気やバテを防いで行動し続けることができます。
どんなものが高GIでどんなものが低GIか
低GI55以下 | ほとんどの果物及び野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ、フルクトース及び低炭水化物製品 |
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中GI56–69 | 全粒粉製品、バスマティ、サツマイモ、スクロース |
高GI70以上 | ジャガイモ、スイカ, 白パン、白米、コーンフレーク、シリアル、グルコース、マルトース |
バスマティってなんやねん、とか細かいツッコミはおいておいて。これ、覚えられます?
なんとなく、覚えておいてほしいのは、精製されたものが高GI、自然のままのモノが低GIのことが多いということ。パンだったら白いパンは高GI、ライ麦パンは低GI。白飯は高GI、胚芽米は低GI、というように。砂糖、ぶどう糖などは高GI、果物などは低GI。
食品表示でGI値というのがないので、なんとなく覚えておくしかないんですね。ただ、ちょっと気にしておくといいと思います。コンビニでおにぎり選ぶとき、白飯のモノじゃなくもち麦入りのモノだったり雑穀入りのモノにするとか、パンを選ぶとき、白いパンを選ぶんじゃなくてライ麦パンを選ぶとか。行動食的なものを選ぶときも、チョコレートを選ぶよりはナッツにするとか。
低GIをうたう商品はまだまだ少ない
ロカボ商品は増えてきました。でも、低GIをうたう商品はまだまだ多くありません。健康ブームですし、増えてきそうな予感がしますが。
その中でも、最近意外に山に向いているんじゃないかと思っているのが、大塚製薬のSOYJOY。SOYJOYは、
- まだあまりない低GIをうたう商品
- タンパク質/糖質の割合がだいたい1:1ぐらい。タンパク質も摂取できる
- 暑くても溶けない(チョココーティングのモノは山に向いていない)
って考えると、結構登山に向いているんじゃないかと思って持って行っています。
あ、結構フレーバーによって糖質量が多いので、ピーナッツかクリスピーシリーズがいいと思いますよ。