アウトドアアクティビティは「クライミングが全ての基本」という考え方

スポンサーリンク

今年に入ってYamakaraではクライミング講習をはじめて、ようやくお客様に外岩リードクライミングをやってもらうところまで来ました。

こういう練習積み重ねてうまくなったことが実感できる人が出てくると、最初からお茶を濁すように適当なハジメテサンでも登れて達成感を味わえるような中途半端な岩場やルートに連れてかなくてよかったと思います。もちろん、1回完結型で、お客さまと一期一会って割り切っちゃえば、登山靴でも登れるような簡単なルートに連れて行って、「達成感」なるものを味わってもらうほうがアトアジ良かったりするわけですが、それはクライミングの本質でもなければ、Yamakaraでクライミング始めた意味でもないだろう、ということで。

スポンサーリンク

イレブンを登れなければ山に連れて行ってもらえなかった山岳部

私が山岳部に入ったころ、新井さんという先輩が主将でした。彼の方針は「クライミングが全て基本」。高所であろうが、縦走であろうが、冬山であろうが、山スキーであろうが例外なく、です。とりあえず5.11aに登れるようになるまでは山に連れて行かない、という方針でした。ちゃんと練習すれば、4月に入った新入部員が、初夏の小川山合宿では5.11aに登れるようになる、もしそれができないならサボっている。

もちろん、Yamakaraのお客様と違って、大学の運動会の山岳部というのは、平日も土日もとにかく時間を山のためにあてるわけで、週2で平日クライミングジムに通い、毎週末土日はクライミングに行く生活をしている上達度合いをそのまま当てはめることはできません。でも、「クライミングが全ての基本」という考え方は教わっていたころ以上にその通りだと思うようになりました。

教育方針は「習うより慣れよ」「死なない程度の怪我はしなさい」

「クライミング体験講習」って銘打って募集しているわけですが、ほとんど講習しません(笑)。実践あるのみ。

実際、岩場につくと、ハジメテサンでもエイトノットの簡単な説明だけあって、いきなり「さ、登ってみましょー」って始まります。そして、1日ガンガン登らされます。遠慮は無用。どんどん登りましょう。どうせ2時間もすれば死屍累々の仲間入りとなるわけで。

なぜ講習しないかというと、はっきり言って、ムダだからです。もちろん、上達には理論と実践が両輪とならなきゃいけない。でも、それは両方ある程度積み重なったうえで、の話で、スポーツなんだから実践がまずは先。やってみて、わからないところ、できなことがあれば理論を学べばいい。いい時代で、Youtubなり、web検索なりでなんでも調べられる時代ですから。もちろん、ピンポイントでこういうことが学びたい、とかあれば教えます。

外岩講習参加すると、Yamakara登攀部なるものに晴れて自動入会。どうやって退会していいかわからない悪魔のシステム!(笑)登攀部メルマガで平日インドアジムの講習の案内が回ってきます。それも唐突に、「今日行きますけど誰か行きます?」的な。

外岩やインドアジムで数回練習を重ねると「ビレイしてみましょー」ときます。これもほとんど講習なし。というか、その頃にはビレイがそろそろやりたいと思っていて(逆にそういう人に声かけていて)、人のビレイ見ているんですね。なのでいきなりビレイしてもらいます。人柱はワタクシ。そして先にネタ晴らしすると、2メートルぐらいの高さから私が落ちて、、、、みんなこれで、「ビレイはホントに人の命を預かってるんだ」って実感します。下まで落としちゃう人、落とさないけどビレイヤーが吹っ飛んだり、目を丸くしたり、いろいろですが、一気に顔が真剣になるのはみんな同じ。

そこからインドア数回で「リードしてみましょー」ってきます。最初はみんなクリップに時間かかり、Zクリップしたり、逆クリップしたりやりたい放題。でもそんなのすぐに慣れますから。講習やっている時間があったら1本でも多く登ったほうがいい。

そして、インドアでリードした人に、外岩で「リードしてみましょー」ってなるわけです。これはもうメンタルに全然違うんですね。登れたところなのに全然取りに行けない。でもこれがほんとのクライミングよね、って。

講習やって、頭で理解して、理解したところを越えない程度の遊びをしていたら、けがもしないかもしれない。ガイド的に全部ロープ張って、安全圏でお客様遊ばせるのは簡単かもしれない。でもそれだとどこまで行っても遊ぶ人と遊ばせる人だよね。一緒に遊ぶ人が出てきてほしい、ガイドとお客様ではなく、せめて山岳部の先輩と後輩ぐらいの関係までなれるといいな、と思いながら、まぁケガする人は出てくるかもなーという懸念もありつつ、大事故を防ぐけど多少のけがはうまくなる糧、と思ってみてたりします。

山の原動力は達成感、クライミングの原動力は悔しさ

山や沢と違って、クライミングのいいところは登り切れないところ。できない自分と向き合うことができることだと思います。

よく、講習中に、「山の原動力は達成感、クライミングの原動力は悔しさ」って言っています。山、特にツアー登山だと自分より体力ない人と同じ目標を目指すから、変な自信がついちゃうんですよね。自分は体力ある、的な。でも、普段トレーニングしてない人の体力あるなんて大したことない。それで自信につながってることのほうがよっぽど危険。

クライミングはうまい人もハジメテサンも、みんな壁にぶつかります。というか、全員ぶつかるように、ある程度トップロープ張るときに、みんなは登れないルート数本に張るようにしています。山もほんとはできないことが明確化されて、次へのステップのために何が必要か考えるような機会があればいいのですが、なかなか道具がどう、重さがどうという人はいるけれど、普段のトレーニングについて真剣にやっている人が少ない。多少走っている人はいても、それが筋力アップなのか、持久力アップなのか、心拍トレーニングなのか意識している人となるともうほとんどいないのではないでしょうか。

クライミングは、できな自分を見つけ、そのためにどう努力したらいいかを考えて、次につなげる、というサイクルを作りやすい競技です。そして、いろんな意味で登山に応用できる部分が多い。メンタルな部分も技術的な部分も。

と、いうわけで、皆様のご参加をお待ちしておりまーす。

いつかタイクライミングツアーやりたいなー

トップページ
登山装備無料レンタル付ツアー・ヤマカラ