昨日、エイ(枻)出版社2月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全・監督命令を受けたそうです。
帝国データバンクの速報記事でもすでに上がってます。
Yahoo!ニュースでもトップ扱い。
趣味の雑誌『Lightning』『RIDERS CLUB』『PEAKS』などを 出版していたエイ出版社が民事再生
負債総額は、債権者約712名に対し約57億8800万円、だそうです。
雑誌「ピークス」・「ランドネ」は、新会社に移行済み
このニュースは、昨年末のドリームインキュベータ社によるエイ出版の事業譲受、つまり、買収を合わせて見ておかなければいけません。
当社子会社による事業譲受、及び新たな事業の開始に関するお知らせ
昨年末時点で、エイ出版のアウトドア、スポーツ、料理などに関する雑誌やその関連事業は、ドリームインキュベータ傘下の、ピークス社に移行済みです。
つまり、ピークス、ランドネ、フィールドライフなどのアウトドア雑誌は、元の会社であるエイ出版の今回の民事再生の影響は受けずに、雑誌自体も継続、めでたしめでたし、となる予定でした。ところが。。。。
ライターさん達のギャラが支払われないという問題に
12月のリリースから、実際に新しい会社での事業が開始されたのは、2月5日だそうです。
新ピークスが2021年2月5日から「PEAKS」や「EVEN」など24メディアの営業を開始していた。
https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20210210_01.html
つまり、1月までの雑誌はエイ出版で発行となっているわけで、その時のライターさん、カメラマンさんなどのギャラが支払われず、債権者として「申立てのお知らせ兼債権者説明会のご案内」のメールが届いています。
会計上は、締めた段階で未払いの報酬は債務となるわけで、通常の移行、となるのかもしれません。
1月までの雑誌の売り上げはエイ出版社で立っているのでしょうから、その報酬もエイ出版で支払われるべき、その支払う原資がないから民事再生、というのは理屈はわかります。ただ、今後雑誌を継続していく上で、色々な人が働いて信頼関係のもとに事業が成立していくのでしょうから、今後、債権者説明会等でどうなっていくのか、要注目です。
山岳3誌は全て買収済みに
川崎吉蔵によって創刊された「山と渓谷」は、2006年にインプレスに買収されて、今はインプレスグループ傘下です。
京都大学の有志で創刊され、東京新聞が引き継いでいた「岳人」は、今やモンベルグループです。
そして、後発だったものの、山岳雑誌の3本目の柱だった、「ピークス」は、昨年末にドリームインキュベータ傘下となっています。
山岳業界、なかなか苦しいですね。石井スポーツはヨドバシカメラ傘下だし、好日山荘はDRCキャピタル傘下だし。
ただ、今回の場合、エイ出版は民事再生でこの先どうなるか分からないわけで、とりあえずピークス、ランドネの廃刊が免れただけでもよしとしなければならないでしょう。
ライターさん達と円満に解決しますように!